では、色や全体の硬さに頼らず、傷みや黒ずみを瞬時に見抜くにはどこを見るべきなのか。その答えは、果実の頂点にある「ヘタ」と、その周辺の「微細な感触」に集約されている。
まず注目すべきはヘタの密着度だ。果実とヘタの間に極端な隙間が空いていたり、すでにヘタがポロリと取れて穴が剥き出しになっている個体は避けたほうがいい。ヘタが取れた部分から空気が侵入し、内部で酸化が進んで黒い筋や黒ずみが発生している可能性が極めて高いためだ。理想的なのは、小さく乾燥したヘタがキュッと果実に密着している状態である。
感触の確かめ方にもプロの技がある。手のひら全体で包み込むように持ち、ヘタの「肩」にあたる部分を親指の腹でごくわずかに優しく押してみる。胴体部分はまだ張りがあっても、ヘタの周りが少しだけ沈み込むような弾力(吸い付くような柔らかさ)を感じられたら、それこそが内部まで均一に熟した最高のサインだ。