近年のトレンドとして特筆すべきは、食感と風味のバリエーションの豊かさだ。噛めば噛むほど小麦本来の濃密な旨みが染み出すハード系・高級食パンは、健康志向の高い層や本物志向のグルメから熱狂的な支持を集めている。外側はガリッと香ばしく、内側は驚くほどみずみずしいカンパーニュやバゲットは、ワインやチーズとの相性も抜群だ。
一方で、地元の食生活に密着した富山県製パン協同組合の加盟店などが手掛ける惣菜パンや菓子パンも根強い人気を誇る。昔ながらのフワフワした生地に甘酸っぱいジャムや自家製カスタードを詰めたパンは、世代を超えて受け継がれるソウルフードだ。先進的なハード系と温かみあるレトロパンが同居する多様性こそ、高岡のベーカリーシーンが持つ最大の強みだろう。