2026年の現在、花火大会の運営において最大の重荷となっているのが「安全対策コストの爆発的増加」だ。国内外で相次いだ群衆事故の反省を受け、警察当局や行政が求める警備レベルは年々跳ね上がっている。
かつてのように「誰もが浜辺に集まって自由に眺める」というスタイルは、群衆雪崩のリスクが高すぎるとして許容されない。警備員の大量動員、誘導看板や仮設トイレの増設、防犯カメラネットワークの構築、さらにはチケットを持たない観客の滞留を防ぐ「目隠しフェンス」の設置。これらにかかる費用は膨大だ。
かつて数千万円規模だった安全対策費は、今や1億円を軽々と超える。主催者である実行委員会にとって、このコスト増は逃れられない命題だ。警備計画が承認されなければ開催自体が不許可となるため、資金捻出のために有料席の拡大と視界遮蔽を強化せざるを得ないスパイラルに陥っている。