玉森裕太の出演ドラマを振り返る際、多くの視聴者が「胸キュンに浸りたいのか」「重厚な人間ドラマを味わいたいのか」で迷うケースが少なくありません。数ある主演・助演作の中から、物語の完成度、演技への反響、視聴者の支持率を精査した決定版ランキングを提示します。
堂々の第1位は『グランメゾン東京』(2019年・TBS系日曜劇場)です。
木村拓哉演じる型破りな天才シェフ・尾花夏樹をかつて師と仰ぎながら、過去の国際的アレルギー混入事件の当事者として罪の意識に苛まれ続ける若き料理人・平古祥平役を演じました。物語の終盤、尾花の前で自らの過ちを認めて嗚咽を漏らすシーンは、演出陣が「現場の空気が完全に凍りつき、玉森の感情に呑み込まれた」と後に語ったほどの熱量を帯びていました。ギャラクシー賞マイベストTV賞をはじめ、各誌の助演男優賞を受賞した事実は、彼がトップアイドルから「日本屈指の演技派」へと脱皮した決定的一幕として歴史に刻まれています。
第2位に推したいのが、新境地を切り拓いた『あのクズを殴ってやりたいんだ』(2024年・TBS系火曜ドラマ)です。
昼はカメラマン、夜はバーテンダー、そして過去に重い十字架を背負った謎多きボクサー・葛谷海里を熱演。役作りのために徹底的な肉体改造を敢行し、体脂肪率を一桁台まで絞り込んだシャープな肉体と金髪のビジュアルは、従来の爽やかなパブリックイメージを粉々に打ち砕きました。ヒロイン(奈緒)を翻弄する一見不誠実な“クズ男”の奥底に横たわる、自己否定と孤独の眼差し。その繊細なレイヤー構造を丁寧に演じ分け、火曜ドラマ枠に新たなダークヒーローの風を吹き込みました。
第3位は、ラブコメディの金字塔となった『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(2021年・TBS系火曜ドラマ)。
上白石萌音演じる平凡な主人公の前に現れる御曹司カメラマン・宝来潤之介役。「子犬系イケメン」という一歩間違えればあざとさに傾くキャラクターを、玉森は持ち前の清潔感と純度の高いナチュラルさで昇華させました。雨の中の抱擁や屈託のない笑顔がSNSを席巻し、毎週火曜の夜にはXの世界トレンド1位を奪取。恋愛ドラマにおける圧倒的な求心力を見せつけた代表作です。
第4位は、シリアスサスペンスの傑作『リバース』(2017年・TBS系金曜ドラマ)。
湊かなえ原作の本作で、藤原竜也や市原隼人といった実力派が揃う中、生真面目で潔癖ゆえに苦悩する高校教師・浅見康介役を好演。メガネの奥に光る冷徹さと動揺の揺らぎが「アイドルの枠を完全に超えている」とドラマ評論家から絶賛を浴びました。
第5位は、主演作としての礎を築いた『信長のシェフ』シリーズ(2013年・2014年・テレビ朝日系)。
戦国時代へタイムスリップした現代のフレンチシェフ・ケンが、織田信長(及川光博)の料理番として歴史のうねりに立ち向かう異色作。深夜枠でのスタートでありながら平均視聴率2桁を記録し、続編がゴールデンタイムに進出するなど、単独主演俳優としての確かな地力を実証した記念碑的ドラマです。