映画・ドラマのレビューサービス「Filmarks」などの口コミサイトを見ると、初代『金田一少年の事件簿』に対して「子どもの頃に観て本気で眠れなくなった」「人生最大のトラウマドラマ」という書き込みが今も後を絶ちません。90年代の地上波規制の緩やかさと、スタッフ陣の妥協なき恐怖表現へのこだわりが、数々の語り継がれるエピソードを生み出しました。
筆頭に挙げられるのが、単発スペシャルとして放送された『学園七不思議殺人事件』です。夜の不動高校を舞台に、仮面をかぶり巨大な木槌を振り下ろす殺人鬼「放課後の魔術師」のビジュアル、そして人体模型が動き出すような生理的恐怖を掻き立てるカット割りは、当時の小中学生を震え上がらせました。オープニングの暗鬱なトーンからクライマックスまで、息をつかせぬ緊迫感が支配していました。
さらに、第1シリーズの『雪夜叉伝説殺人事件』では、白い着物に恐ろしい能面を着けた怪物が巨大な斧を振りかざして生放送中のテレビクルーを襲撃するシーンが強烈なインパクトを残しました。また、第2シリーズの『墓場島殺人事件』や『首無し村殺人事件』(原作の『飛騨からくり屋敷殺人事件』)など、密室トリックの巧妙さのみならず、人間の情念や復讐の凄惨さを容赦なく描き切ったエピソードが並びます。
特筆すべきは、ともさかりえが演じた美雪が、第1シリーズ第2話『悲恋湖殺人事件』において、整形手術によって顔を変えられた悲劇の少女・遠野美咲役としても出演していた点です。瓜二つの容姿を利用した倒錯的なプロットと、湖畔で繰り広げられる無差別殺人の恐怖は、視聴者に強烈な心理的混乱と哀切をもたらしました。