作詞を手掛けた住治男氏の言葉は、格調高い文語体でありながら、瑞々しい躍動感に満ちています。単に敵を威嚇するのではなく、大自然の雄大さと大学の誇りを重ね合わせている点に大きな特徴があります。
冒頭のフレーズ「紺碧の空 仰ぐ日輪」は、濁りのない深く青い空と、燦然と輝く太陽を対比させ、これから始まる戦いの高揚感を鮮やかに描き出します。続く「光輝あまねき 伝統のもと」という一節には、創立以来培われてきた早稲田の学問の独立と誇りが込められています。
特に圧巻なのがサビに向かう展開です。「気魄(きはく)充ちて 満つる若人」「覇者 覇者 早稲田」というリフレインは、グラウンドで戦う選手のみならず、スタンドで声を枯らす数万人の学生や校友全員の意識を「ひとつの生命体」へと昇華させる力を持っています。
大正デモクラシーの余韻が残りつつも、不穏な空気が漂い始めていた昭和初期において、この詩が提示した「曇りのない理想と若きエネルギーの発露」は、当時の若者たちにとって暗雲を吹き飛ばす一筋の強烈な光でした。