サイズ換算の混乱は、鞄選びだけでなくグラフィックデザインやインテリアの額装作業でも深刻です。
PhotoshopやIllustrator、クリエイティブアプリで印刷物を作成する際、インチと解像度の知識が不可欠になります。印刷業界で高品質な仕上がりを担保する標準解像度は「300〜350dpi(dots per inch=1インチあたりのドット数)」です。
A4ピクセル解像度300dpiで設定する場合、以下の計算式が適用されます。
- 横ピクセル数:8.268インチ × 300dpi = 2480ピクセル
- 縦ピクセル数:11.693インチ × 300dpi = 3508ピクセル
日本の商業印刷標準である350dpiを適用した場合は2894×4093ピクセルとなり、Web用の72dpi(595×842ピクセル)で書き出された画像をそのままA4で印刷すると、著しい画質劣化(ジャギーやぼやけ)が生じます。インチ換算の正確な理解なしにプロレベルの印刷物は制作できません。
さらに盲点となるのがA4ポスター額縁インチ寸法の規格差です。海外製のインテリアフレームや輸入ポスターフレームを購入する際、北米で主流の「USレターサイズ(8.5×11インチ=215.9×279.4mm)」規格の製品を誤って選んでしまうトラブルが多発しています。
A4用紙はUSレターに比べて「幅が約5.9mm狭く、高さが約17.6mm高い」という特徴があります。そのため、北米規格のフレームにA4ポスターを入れようとすると、縦の長さが足りずに端が折れ曲がってしまい、横には不格好な隙間が生じるという結果を招きます。額縁を選ぶ際は、必ず「A4専用(210×297mm)」と明記されているか、インチ表記であればマウント台紙を含めた内寸をミリ単位で確認しなければなりません。