錐体外路とは?錐体路との違いや震え・こわばりの仕組みを徹底解明

錐体外路とは?錐体路との違いや震え・こわばりの仕組みを徹底解明

錐体外路とは?錐体路との違いや震え・こわばりの仕組みを徹底解明について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をご確認ください。

SNSやネット掲示板上では、手足の震えやアカシジアに直面した当事者たちによる「薬を飲むのをやめたら治った」「精神科の薬は毒だから今すぐ捨てるべき」といった過激な言説が散見されます。しかし、医療関係者が最も警戒するのが、この「自己判断による急激な断薬」です。

急激に薬を断ち切った場合、遮断されていた受容体にリバウンド現象が生じ、原疾患である幻覚や妄想、重度のうつ状態が爆発的に再燃するだけではありません。何より恐ろしいのは、全身の筋肉が激しく硬直し、40度近い高熱を発して意識障害や横紋筋融解症を引き起こす「悪性症候群(NMS)」の誘発です。悪性症候群は致死率も存在する極めて危険な救急病態であり、厚生労働省の副作用情報でも最上位の警戒が呼びかけられています。

もう一つの重大な盲点は、「錐体外路症状は精神科の薬だけで起こるわけではない」という点です。

実は、胃炎や胃潰瘍の治療で広く処方されている「スルピリド(ドグマチールなど)」や、吐き気止めとして日常的に使われる「メトクロプラミド(プリンペランなど)」、さらには一部の血圧降下薬やめまい止めにも、ドパミン受容体を遮断する成分が含まれています。内科で処方された胃薬を長期間漫然と飲み続けた高齢者が、手が震えて歩行が困難になり、「パーキンソン病を発症した」と誤認されて来院するケースが医療現場では頻発しています。精神疾患の既往がなくても、日常的な処方薬の裏に錐体外路のリスクが潜んでいる事実は、もっと社会に共有されるべき事実です。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。