ヒソカの脱退に伴い、幻影旅団のナンバー4として電撃加入を果たしたカルト。彼が危険な盗賊集団に身を置いた動機は、単なるスリルや金銭ではなく、「兄を取り戻すため」という明確な誓いによるものです。
この「取り戻すべき兄」が誰を指しているのかについては、長年2つの有力説が存在しています。
第1の仮説はキルア奪還説です。ゾルディック家においてキルアは次期当主として全家族から異常な執着を向けられており、母親の歪んだ愛を一身に受けて育ったカルトにとっても、家を飛び出したキルアは常に視線の先にいた存在でした。旅団の除念師(アベンガネ)の力や旅団の強大なコネクションを利用して、キルアを精神的・物理的に家へ連れ戻そうとしているという見方です。
第2の仮説はアルカ救出および関係修復説です。カルト、アルカ、キルアの3人は年齢が近く、幼少期には複雑な感情が交錯していました。キルアがアルカだけを特別視し、命がけで幽閉から救い出したことに対し、カルトが強い嫉妬と疎外感を抱いている描写が原作でも示唆されています。カルトにとって「兄を取り戻す」とは、キルアの関心を自分に向けさせること、あるいは家庭内で孤立した関係性を再構築することを意味していると考えられます。