浅背筋の代表格といえば、僧帽筋、広背筋、そして肩甲骨の内側に位置する菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)です。それぞれの起始停止と作用には明確な連動性があります。
まず、背中の最表層で首から背中中央にかけて菱形に広がるのが僧帽筋です。後頭骨から胸椎にわたる広範な起始を持ち、鎖骨外側や肩甲骨(肩峰・肩甲棘)に停止します。上部・中部・下部の線維によって作用が異なり、肩甲骨の挙上・内転・下方回旋および上方回旋を緻密にコントロールしています。
次に、腰から背中下部を広く覆い、人体で最も面積が広い筋肉として知られるのが広背筋です。下部胸椎・腰椎の棘突起や腸骨稜、胸腰筋膜から起始し、上腕骨の小結節稜に停止します。腕を後方に引く「肩関節の伸展・内転・内旋」を担い、クライミングや水泳のプル動作で強力なパワーを発揮します。
僧帽筋の深層で肩甲骨を背骨側へ引き寄せるのが、大菱形筋および小菱形筋です。頸椎・胸椎の棘突起から肩甲骨内側縁に停止し、「肩甲骨の内転と固定」に大きく貢献します。猫背姿勢が続くと菱形筋が過剰に引き伸ばされて筋力発揮が難しくなり、肩甲骨が外側へ流れたまま固まる原因となります。