「新名神が通行止めなら、すぐに名神へ迂回すれば解決する」という考え方は、道路交通の力学上、大きな落とし穴を孕んでいます。
交通工学における「ボトルネックの転移」と呼ばれる現象がその代表例です。新名神(片側2〜3車線)を流れていた膨大な交通量が名神高速(E1)や京滋バイパス(E88)へ一斉に流入すると、米原JCT、大津IC、天王山トンネル付近の交通容量が限界を超え、数十キロに及ぶ「迂回渋滞」が発生します。この場合、迂回ルートを選んだ車両の平均通過速度は時速10km以下にまで落ち込み、結果として手前のSA/PAで通行止め解除を待った場合と所要時間が変わらない、あるいは余計に遅くなるケースが多発します。
また、「一般道へ降りれば何とかなる」という判断も危険です。鈴鹿山脈を越える一般峠道(国道477号・鈴鹿スカイライン等)は冬季閉鎖や急勾配・狭隘路が多く、大型車はもちろん普通車であっても立ち往生の温床となります。迂回を検討する際は、安易な下道回避ではなく、高規格な高速道路ネットワーク(伊勢湾岸道・第二京阪等)を広域で活用する視点が不可欠です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
通行止め情報に直面した際、自車の状況に応じて取るべき選択は明確に分かれます。
- 即時迂回(広域ルート選択)をおすすめできる人:
・燃料が十分に残っており、京滋バイパスや第二京阪などの有料迂回路のルートを即座に把握できるドライバー
・配送時間制限や航空便・新幹線への乗り継ぎなど、明確なタイムリミットが存在する人
・最新のリアルタイム交通情報を助手席やナビで常時アップデートできる環境にある人 - 迂回を避け、SA/PAで待機・様子見をすべき人:
・冬期用タイヤやチェーンを携行しておらず、気象悪化地域の一般道走行に不安があるドライバー
・燃料残量が少なく、下道の未知の大渋滞に巻き込まれた際にガス欠のリスクがある人
・通行止めの原因が軽微な物損事故であり、1〜2時間以内の解除見込みがアナウンスされている場合