彼女の人生における大きな転機となったのが、2019年と2021年の出産だ。極秘出産という形で世間を驚かせたが、2人の子供の母親となったことは、彼女の音楽表現にも劇的な変化をもたらした。かつての「突き刺すような孤独感」や「痛切な叫び」をテーマにした楽曲に加え、近年では包み込むような優しさや、生とし生きるものへの愛を歌う場面が増えている。
年齢を重ね、母となったことで、ボーカルの質感にも深みが加わった。若き日のソリッドでエッジの効いたハイトーンから、中低音が豊かに響くエモーショナルな歌声へ。過去のヒット曲を今の声で歌い直すライブアレンジは、往年のファンに涙を流させ、新たなリスナーの心を揺さぶる。年を取ることは衰えではなく、表現の引き出しを増やすこと。彼女はその実例を自らの生き様で示している。