楽曲の普遍性を支えている最大の要因は、作編曲を担当した伊藤心太郎の職人技です。『ポニーテールとシュシュ』など数々の名曲を生み出してきた伊藤は、本作においてアース・ウィンド&ファイアーやスタイリスティックスを彷彿とさせるモータウン/フィリー・ソウルのエッセンスを絶妙な塩梅でJ-POPに落とし込みました。心地よく跳ねるベースライン、艶やかなブラスセクション、そして一度聴いたら忘れられない哀愁を帯びたペンタトニックスケールの旋律。子どもから高齢者までが無意識に身体を揺らしてしまう音楽的マジックが、周到に仕組まれています。
さらに、この楽曲を社会現象へ押し上げたのが、振付師・パパイヤ鈴木によるダンス設計です。当時のアイドル界ではフォーメーションの高速化と難度の高いダンスが主流になりつつありましたが、パパイヤ鈴木が目指したのはその真逆でした。
「手首を柔らかく返しながら胸の前で波打つ動作」や、通称「おにぎりダンス」と呼ばれる両手で三角形を作る動き。これらは日本の伝統的な「盆踊り」の身体操法を現代風にアレンジしたものであり、リズム感がなくても、座ったままでも上半身だけで誰でも参加できる極限のシンプルさを追求しています。
関根光才監督がメガホンをとったミュージックビデオは、福岡ヤフオク!ドーム(現・みずほPayPayドーム福岡)周辺で撮影され、約4,000人におよぶ一般エキストラが参加しました。制服姿の学生、商店街の店主、清掃員、警備員、そして老夫婦がメンバーと共に笑顔でステップを踏む映像美は、「アイドルを見上げる客」から「アイドルと共に主役になる民衆」への鮮烈なパラダイムシフトを可視化させました。