鍋の焦げ以上に多くの家庭を悩ませているのが、何層にも油と熱が重なって化石化したコンロ周りの頑固な焦げです。日常的な拭き掃除だけでは蓄積を防ぎきれない五徳やガステーブルも、重曹の特性を活かしたシステマチックな工程を組むことで、力を込めずに劇的にリセットできます。
まず取り組むべきは、五徳焦げ重曹つけ置きです。五徳は鍋と違って直接火にかけて煮沸することが難しいため、「温度を保った密封浸け置き」が最も効率的な解決策となります。
用意するのは、厚手のゴミ袋(またはジッパー付き密閉袋)2枚です。袋を二重にして破れを防ぎ、シンクの中に広げます。そこに50℃〜60℃程度のやや熱めのお湯を五徳が完全に水没する深さまで注ぎ、重曹をカップ1杯(約150〜200g)投入してしっかりと撹拌します。五徳を投入したら袋の空気をできる限り抜き、口を固く縛って約2時間〜3時間放置します。お湯の熱によって重曹のアルカリ活性が高まり、厚く蓄積した油焦げがゼリー状にふやけていきます。時間が経過したら袋から取り出し、使い古した毛先の硬い歯ブラシや、丸めたアルミホイル(五徳がホーローや鉄製の場合)で軽く撫でるだけで、黒い炭素の塊が粉砕されるように剥がれ落ちていきます。
続いて、取り外せないガステーブル焦げ付き重曹掃除のステップです。バーナー周りの天板に焼き付いた輪状の焦げには、前述の重曹ペーストを集中的に厚さ2〜3mmほど盛り付けます。その上から適当な大きさに切ったラップを密着させ、ドライヤーの温風を1〜2分ほど遠くから当てて温度を少し高めてから約1時間放置します。放置後、湿布していたラップを剥がし、そのラップをクシャクシャに丸めてクレンザー代わりに天板をクルクルと円を描くようにこすります。金属や硬いメラミンスポンジと異なり、ポリエチレンのラップは天板のトッププレート(ガラストップやフッ素コート)に傷をつけることなく、重曹の粒子を絶妙な圧力で焦げに押し当てて削り落としてくれます。最後に固く絞った濡れ雑巾で2〜3回、白い粉残りがなくなるまで念入りに水拭きを行えば、新品時のようなクリアな反射がよみがえります。