須磨海浜公園の景観は、以前の面影を大きく塗り替えています。かつて昭和から平成にかけて赤潮や波打ち際の風情とともに愛された三角屋根のスマスイ本館は姿を消し、スタイリッシュな複合海洋リゾート「神戸須磨シーワールド」がその中核に君臨しています。須磨海浜公園再整備の経緯を辿ると、神戸市が打ち出した総事業費数百億円規模のビッグプロジェクトであり、水族館の枠を超えて公園全体を「滞在型リゾート」へと昇華させる明確な意図が読み取れます。
変化の象徴とも言えるのが、園地東側に誕生したにぎわい施設「須磨海浜公園松の杜ヴィレッジ」です。潮風を感じる松林の緑と美しく調和したこのエリアには、カフェやレストラン、アクティビティショップが軒を連ね、入園料を払わずとも公園利用者が日常的にくつろげるパブリックスペースとして機能しています。かつては水族館入館者のための一時的な通過点に過ぎなかった公園敷地が、海辺のライフスタイル発信拠点へと変貌を遂げたのです。
さらに、水族館に隣接して建設された直営の「神戸須磨シーワールドホテル」は、日本初となるシャチとの触れ合いや客室からのオーシャンビューを売りにしたプレミアムな宿泊施設です。日帰り観光が主流だった須磨エリアにおいて、富裕層やインバウンド(訪日外国人観光客)を神戸に宿泊させる強力なハブとしての役割を担うようになりました。