戦術的な見どころは、オランダの若き司令塔シャビ・シモンズと、モロッコの絶対的右サイドバック、アクラフ・ハキミの攻防に集約されていた。シモンズがハーフスペースに侵入すれば、ハキミが爆発的なスピードでそのスペースを埋める。一瞬の判断ミスが命取りになる極限状態だ。
オランダの指揮官は、シモンズの位置を微妙にずらすことでハキミを引き剥がそうと試みた。これに対し、モロッコは中盤のアンカーをスライドさせてカバーリングを徹底。チェスのように緻密で、格闘技のように激しいディテールが、90分間を通して繰り広げられた。