日活調布撮影所の歴史は、日本映画の栄枯盛衰そのものです。1954年、東洋一の最新設備を誇るスタジオとして調布市染地に誕生。多摩川の豊かな自然と良好な光条件、都心への適度な距離感から、この地が選定されました。
昭和30年代には、石原裕次郎の『狂った果実』『嵐を呼ぶ男』、小林旭の「渡り鳥」シリーズ、吉永小百合の『キューポラのある街』など、日本中を熱狂させた「日活ダイヤモンドライン」の傑作群がこの撮影所で次々とクランクインしました。その後、1970年代から80年代の「日活ロマンポルノ」時代を経て、2000年代以降は映画だけでなくCMやミュージックビデオ、配信ドラマの重要ロケ地として機能し続けています。
そして日活調布撮影所は「バーチャルプロダクションスタジオ」への大胆な刷新によって新たな黄金期を迎えています。スタジオ内に設置された巨大な曲面LEDディスプレイに背景CGをリアルタイム投影し、被写体と同時に撮影する「インカメラVFX」技術を本格導入。天候やロケーションの制約を受けず、海外の街並みや架空の世界を調布のスタジオ内に完全再現できる制作環境が整いました。
熟練の大道具スタッフが手がける物理美術セットと、最先端デジタルCGがシームレスに結合する現場は、国内外のクリエイターから非常に高い評価を獲得しています。