インターネット上の掲示板やSNSでは、時折「櫻井翔は幼稚舎出身だから試験なしで大学まで行けた」「親が高級官僚(総務次官)だから大学側が忖度したのではないか」といった根拠のない憶測やデマが散見されます。しかし、慶應義塾の内部事情と客観的な進学システムを精査すれば、それらの言説が完全な事実無根であることが明白になります。
第1の盲点は、「慶應付属校のエスカレーター=誰でも卒業できる」という致命的な誤解です。特に櫻井さんが通った慶應義塾高等学校(塾高)は、全国屈指の男子進学校でありながら、学業不振者に対して極めて厳しい留年措置をとることで知られています。学年全体(約700〜800名)のうち、毎年数十名単位で原級留置(留年)が発生し、2年連続で留年すれば容赦なく退学処分となります。つまり、普通部から塾高へ、そして塾高から大学へと進学するプロセス自体が、一般入試とは異なる形態の「過酷な競争の連続」なのです。
第2の盲点は、「親の威光による忖度進学」という俗説です。櫻井翔さんが大学を卒業した2004年当時、父・櫻井俊氏はまだ総務省の中堅・幹部官僚の段階であり、事務次官に就任したのは遥か後年の2015年です。私立大学の単位認定や卒業判定が、国家公務員の役職によって左右される余地など一切ありません。大学の教員陣は学問の独立性を何よりも重んじており、テストの点数が足りなければ容赦なく「D判定(不可)」を付けます。
さらに、櫻井家は翔さんだけでなく、妹の櫻井舞さん(成城大学卒業後に日本テレビ勤務)、弟の櫻井修さん(慶應義塾幼稚舎から慶應義塾大学経済学部へ進学し、ラグビー部で活躍)と、兄弟揃って高い教育環境で自立したキャリアを築いています。これは親の忖度などではなく、家庭内に浸透していた「自ら学び、結果を出す」という強烈な学習規律と自律の精神の賜物であると捉えるのが極めて自然です。