楽曲の叙情性を決定づけた要素として、ミュージックビデオ(MV)の存在を外すことはできません。本作のMVでヒロインを務めたのは、当時女性ファッション誌『CanCam』専属モデルとして頭角を現し、本格的な女優業へと足を踏み出していた山本美月です。
映像内における山本美月は、鮮やかな浴衣に身を包み、夜店の提灯に照らされながら無邪気な笑顔やふとした瞬間の憂いを帯びた表情を披露しています。この「手の届きそうで届かない圧倒的な透明感」が、清水依与吏の紡ぐ内向的な歌詞と化学反応を起こし、視聴者に「自分自身の忘れられない過去の片思い」を錯覚させるほどの没入感を生み出しました。ファンの間では「back numberの歴代MVの中でも最高峰のキャスティング」として語り継がれています。
ロケ地となったのは、神奈川県川崎市高津区に鎮座する「久地神社(くじじんじゃ)」およびその周辺地域です。境内に組まれた祭りのセット、夜店の屋台、そして近隣の住宅街や多摩川水系沿いの道など、大都市近郊でありながらどこか懐かしい昭和から平成の情緒を残す風景が選ばれました。ロケ地巡礼を行う熱心なファンも多く、毎年夏祭りの季節になると、聖地として現地を訪れるリスナーの投稿がSNS上で確認されています。