脚本家・北川悦吏子が手掛け、視聴者の感情を極限まで揺さぶった全12話のストーリーは、いま振り返っても類を見ない純度と痛切さを放っています。物語の核心となるあらすじと、涙なしには見られない最終回の全貌を振り返ります。
物語は、控えめで自己主張が苦手な図書館司書の香坂優美子と、路上でトラブルに巻き込まれていた勝気なダンサー志望・月島カンナの偶然の出会いから幕を開けます。ひょんなことから優美子のマンションで同居を始めた2人は、生活習慣も価値観も正反対。最初は激しく衝突しながらも、優美子はカンナの奔放な情熱に惹かれ、カンナは優美子の持つ柔らかな包容力に救われ、互いにとって欠かせない「半身」のような存在へと育っていきます。
しかし、2人の間には残酷な運命が影を落とします。劇団の舞台演出を手掛ける村上卓也(東幹久)をめぐる切ない三角関係、そして優美子に一途な想いを寄せるカンナの幼馴染・沢田一馬(的場浩司)の葛藤が絡み合い、関係性は複雑に軋んでいきます。やがてカンナは卓也の子を妊娠しますが、卓也は夢を追って海外へ旅立ち、カンナは1人で子どもを産む決意を固めます。
物語終盤、カンナが重篤な心臓疾患を抱えており、出産は自らの命を危険にさらすという過酷な事実が判明します。医師や優美子から命を優先するよう懇願されるものの、カンナの母性としての決意は揺らぎませんでした。「自分の命に代えても、この子をこの世に残したい」というカンナの強い願いを受け止め、優美子は自らの人生を投げ打ってカンナの出産を支える覚悟を決めます。
最終回、カンナは激痛と闘いながら無事に女児「愛華(まなか)」を出産。しかし、消耗しきった彼女の心臓は限界を迎えていました。病室のベッドで、息を引き取る間際のカンナは、優美子の手を固く握りしめながら愛娘の未来を託します。優美子は涙を流しながらその思いを全身で受け止めました。ラストシーンでは、月日が流れ、少し成長した愛華の手を引いて歩く優美子の姿が映し出されます。血の繋がりを超え、魂で結ばれた親友の命を未来へと繋ぎ、強く生きていく優美子の横顔とともに物語は静かに幕を閉じました。