東京の街並みを一望できる東京タワーのメインデッキ2階。展望窓からの絶景に目を奪われがちなフロアの一角に、木肌の温もりを残す鳥居と社殿が凛と佇んでいます。この社殿こそが、東京23区で一番高い神社として記録されるタワー大神宮です。自然の山岳地形における都内最高所の神社といえば標高25.7メートルの愛宕神社(港区)ですが、人工建造物を含めた空間における最高地点の社殿としては、地上150メートルに位置する当宮が他を寄せ付けない高さを誇ります。
神社が創建されたのは1977年(昭和52年)のこと。東京タワーを運営する日本電波塔株式会社(現・株式会社TOKYO TOWER)の創始20周年を記念し、タワー事業の永続的な安全と、展望台を訪れる来場者の幸福を願って建立されました。最大の注目点は、日本の総氏神である伊勢神宮(三重県伊勢市)の皇大神宮(内宮)より、天照皇大神(あまてらすごうたいしん)の御分霊を正式に受けて祀られている点です。神職による祭祀が定期的に執り行われており、観光地の演出にとどまらない厳かな格式を備えています。
タワー大神宮のご利益として世に広く知られているのが、「合格祈願」と「縁結び」の2大神徳です。
合格祈願に関しては、「東京タワーの高さにあやかって成績が急上昇する」「試験の点数がアップする」「志望校のランクが上を目指せる」といった象徴的な縁起の良さから、1980年代以降、受験シーズンになると学生や保護者の熱心な参拝が定番化しました。また縁結びについては、地上150メートルの高みで東京の中心軸と繋がり、パートナーとの強固な絆を結ぶ「高嶺の縁結び」として、カップルや良縁祈願の参拝者から確かな信仰を集めています。さらに、電波塔の保守管理から端を発した「交通安全」や「事業繁栄」の御神徳も、ビジネス街・港区ならではの根強い人気を支えています。