水害から命を守る現場において、デジタル技術の浸透が目覚ましい成果を上げています。現在、石狩川の全域には国土交通省北海道開発局による高密度な観測網が敷かれ、PCやスマートフォンから石狩川水位リアルタイム速報や石狩川ライブカメラ現在の状況を24時間体制で確認できるようになりました。
特に注視すべきは、上流部である石狩川旭川地区の水位情報です。旭川市街地は美瑛川や忠別川が合流する要衝であり、さらに下流にはボトルネックとなる神居古潭の狭窄部が存在します。大雨時に神居古潭で水位がせき止められると、旭川市街地側の水位が一気に上昇するバックウォーター現象を引き起こす構造的リスクを孕んでいます。
現場周辺の自治体防災担当者は「水位計の数値だけでなく、現地の河川敷ライブカメラ映像のリアルタイム確認が欠かせない」と指摘します。平時の穏やかな水面を見慣れている住民ほど、増水時の堤防法面(のりめん)の侵食や流木の集積といった危機的変化を見落としがちだからです。
札幌開発建設部や旭川開発建設部が公開しているカメラ映像では、夜間でも赤外線や高感度センサーにより水面の上昇ピッチを鮮明に把握できます。氾濫注意水位(レベル2)や避難判断水位(レベル3)に到達した段階で、行政からの避難指示を待つことなく自発的な退避を開始する判断材料として機能しています。