Q1:ゴヤの『魔女の安息日』にはなぜ山羊が描かれているのですか?
A1:キリスト教の伝統において、山羊(特に黒い雄山羊)は好色や不従順の象徴とされ、悪魔サタンの化身と見なされていたためです。サバトを描いた多くの西洋絵画では、悪魔が山羊の頭部を持つ異形の存在として描かれます。
Q2:魔女の絵画に描かれる「箒(ほうき)」や「大釜」にはどんな意味がありますか?
A2:箒や大釜は、本来は女性の日常的な家事労働の象徴でした。魔女狩りの言説の中で、日常の道具が「毒薬を調合する釜」や「夜空を飛翔する道具」として反転され、家庭内に潜む脅威としてプロパガンダに利用された経緯があります。
Q3:ウォーターハウスの魔女はなぜこれほど美しく描かれているのですか?
A3:19世紀後半のヴィクトリア朝において、産業革命による合理主義への反動から神秘主義への関心が高まりました。同時に、男性を破滅へと導く「運命の女(ファム・ファタール)」という美学が流行したため、魔女は恐ろしい老婆から妖艶で自立した美しい女性へと再定義されたのです。