横山裕のキャリアにおける真骨頂は、恵まれた天賦の才能に胡坐をかくことなく、血の滲むような後天的な努力によって実力を勝ち取ってきた点にあります。
日本テレビ系『ヒルナンデス!』では、2011年の番組開始当初から木曜レギュラーを務め、15年近くにわたりお茶の間に笑いを届けてきました。若手タレントやゲストの良さを引き出す安定したMC力と、自ら身体を張った食レポやロケで見せる飾らない姿は、老若男女から愛される国民的タレントへと成長させました。
一方、俳優としての転機となったのが、2022年度後期のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』です。福原遥演じるヒロイン・岩倉舞の兄、悠人役を演じた横山は、一見冷徹な投資家でありながら、内心では家族を誰よりも気にかける複雑な青年の心情を繊細に演じ切りました。視聴者や批評家からは「不器用な優しさを滲ませる演技が圧巻」「朝ドラ史に残る魅力的な兄像」と大絶賛され、名バイプレイヤーとしての確固たる評価を獲得しました。
さらに、音楽面での象徴的な挑戦がトランペットです。横山がトランペットを始めたのは、32歳という大人になってからのことでした。関ジャニ∞のライブ演出として「観客を驚かせたい、バンドに新しい武器をもたらしたい」という一心で、未経験から猛練習を開始。唇の皮が剥け、血を滲ませながらスタジオに籠もり続けた逸話は有名です。現在ではSUPER EIGHTのライブになくてはならない華やかなブラスサウンドを響かせています。