なぜ食後にそこまで激しい眠気や脱力感が引き起こされるのでしょうか。その決定的な理由は、体内で起きる「血糖値の乱高下」にあります。
白米、ラーメン、丼もの、甘い菓子パンといった糖質を一度に過剰摂取すると、消化管からブドウ糖が一気に吸収され、血中のブドウ糖濃度(血糖値)が短時間で急激に跳ね上がります。これがいわゆる「血糖値スパイク」と呼ばれる状態です。
血管内に糖が溢れかえると、膵臓は「血糖値を一刻も早く下げなければ危険だ」と判断し、血糖降下ホルモンであるインスリンを過剰分泌します。問題はこの後です。大量に放出されたインスリンの働きにより、急上昇した血糖値は今度はジェットコースターのように急降下を始めます。食後1〜2時間前後に訪れるこの急激な血糖低下を医学用語で「反応性低血糖症」と呼びます。
脳にとって唯一無二の主要エネルギー源は血中のブドウ糖です。血中から糖が急激に排除されると、脳は突如として深刻な「ガス欠状態」に追い込まれます。脳機能を維持できなくなった身体は、エネルギー消費を抑えるために活動停止モードへと切り替わり、結果として激しい眠気、集中力の喪失、倦怠感、場合によっては手指の震えや冷や汗といった症状を引き起こすのです。