このあだ名が爆発的な説得力を持った根底には、2016年都知事選で起きた故・石原慎太郎元都知事による「大年増の厚化粧がいる」という痛烈な攻撃発言が存在します。
石原氏による露骨な女性蔑視とも受け取れる挑発に対し、小池氏は憤るどころか「顔のあざを隠す医療用化粧です。でも私はこの勝負服の緑で立ち向かいます」と冷静に笑顔でいなし、見事な被害者ポジションを獲得しました。対立候補を圧倒的得票差で打ち破ったこの一幕は、老獪な長老政治家をも手玉に取る「タヌキぶり」を日本中に印象づける決定打となりました。
政界を専門に追うメディア関係者の証言を振り返っても、小池陣営の広報戦略は極めて意図的です。相手の攻撃をエネルギーに転換し、侮蔑さえも自身のブランド価値に変えてしまう手法は、有権者に「したたかだが頼もしい政治家」という多面的な認知を植え付けました。批判を浴びても表情ひとつ変えずに微笑み続ける鉄面皮の立ち居振る舞いが、まさに「人を化かすタヌキ」というレッテルを補強し続けたといえます。