富田林市の丘陵地帯に突き刺さるようにそびえ立つ、高さ180メートルの白亜の塔。正式名称「超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔」(通称:PLピースタワー)は、1970年に建立された教団最大の象徴建築です。粘土を手でこねたような独特の彫刻的フォルムは、建築家・日建設計の手によるもので、人種や宗教を超えて戦争犠牲者を慰霊する目的で造られました。
しかし、半世紀以上が経過した現在、この巨大建築が「老朽化問題」という時限爆弾を抱えています。鉄骨鉄筋コンクリート造の特殊な外壁は風雨に晒され、ひび割れや中性化、コンクリート片の剥離リスクが指摘されています。かつては2階の展望台まで一般参拝者が入場可能でしたが、安全確保の観点から現在は内部への立ち入りが固く制限されています。
巨大モニュメントの維持修繕には、数億円から十数億円単位の大規模改修が必要です。一方で、仮に維持を断念して「解体」を選択した場合、高さ180mにおよぶ特殊構造物の撤去費用は数十億円規模に膨らむと試算されています。周辺には住宅地や幹線道路が近接しており、ずさんな放置は許されません。教団の財務体力が削がれるなか、この巨塔をいかに安全に保全し続けるかは、富田林市をも巻き込む喫緊の課題となっています。