斎藤慎太郎八段のプロ棋士としてのキャリアは、華々しさと泥臭い粘り強さが同居しています。奨励会時代から「詰将棋解答選手権」で名だたるプロを抑えて2連覇を飾るなど、その終盤の計算力は早くから天才と称されていました。
大きな転機となったのが2018年の第66期王座戦です。中村太地王座(当時)に挑戦した五番勝負をフルセットの末に3勝2敗で制し、念願の初タイトル「王座」を獲得しました。その後、失冠の悔しさを味わうものの、彼の真骨頂は「将棋界で最も過酷」と言われる順位戦で発揮されます。
持ち時間各6時間という一日制の長丁場において無類の強さを誇り、A級順位戦に昇級するやいなや、第79期・第80期と2期連続で名人戦挑戦権を獲得。当時の渡辺明名人と激闘を繰り広げました。名人奪取には届かなかったものの、「順位戦での斎藤慎太郎は手が付けられない」と棋界全体を震撼させた戦績は色褪せません。現在の成績もレーティング1700台後半のトップ集団に位置し、再びタイトル戦の舞台へ返り咲くべく進化を続けています。