東海地方の境界をめぐる議論で最も白熱するのが、静岡県と三重県の扱いです。
まず静岡県が入る理由ですが、かつての律令国である「東海道」に属していた歴史的背景に加え、東海道新幹線や東名・新東名高速道路といった大動脈で愛知県と直結している事実が挙げられます。一方で東海3県から除外されやすいのは、県域の広大さと東京志向の強さが影響しています。静岡県西部(浜松市周辺)は愛知県東部と極めて深い産業連携を持っていますが、東部(熱海市や三島市など)は首都圏への通勤者も多く、経済的・生活意識的に東京圏へ引き寄せられているためです。
一方、「三重県は近畿地方と東海地方のどっちなのか」という問題も長年のテーマです。結論から言えば、三重県は両方に所属しています。国の法律に基づく地域区分や学校の社会科教科書では、三重県は滋賀県や京都府などとともに「近畿地方」に分類されます。しかし、四日市市や桑名市を中心とする北勢地域は名古屋駅まで電車で20〜30分圏内であり、実生活や産業基盤は中京工業地帯の中枢です。結果として、経済・雇用を語る際は東海、行政の広域連携や歴史・文化(伊勢神宮や関西弁に近い方言など)を語る際は近畿という二面性を併せ持っています。