利便性の代償として、私たちは何を差し出しているのか。世界に衝撃を与えたドキュメンタリー映画『ソーシャル・ディレンマ: 監視資本主義の脅威』は、巨大テック企業が運用するアルゴリズムのダークサイドを白日の下に晒した。
SNSのフィードを最適化するアルゴリズムの真の目的は、ユーザーを画面に釘付けにし、広告収益を最大化することにある。その過程で、怒りや不安といった強い感情を喚起するコンテンツが優先的に拡散され、社会の分断やエコーチェンバー現象が加速する。人間の認知の脆弱性を突くように設計されたアルゴリズムは、知らぬ間に個人の価値観や投票行動すら方向づけてしまう。もはやこれは技術論ではなく、民主主義の根幹に関わる倫理的課題だ。