カタカナ語として定着しつつあるインティマシーの意味は、英語の「intimacy」に由来し、直訳すれば「親密さ」「懇意」「私的な親交」を指します。語源はラテン語で「最も内側の」を意味する「intimus」であり、他者に対して自分の内面や脆弱(ぜいじゃく)な部分を安心して開示できる状態を表現する言葉です。
学術的な見地から見ると、インティマシー心理学の領域においてこの概念は、個人の健全な発達に欠かせない要素と定義されています。発達心理学者エリク・エリクソンが提唱したライフサイクル論では、青年期から成人初期における重要な心理社会的課題として「親密性 対 孤立」が挙げられます。ここでの親密性とは、自己のアイデンティティを保ったまま、他者と深い情緒的結びつきを結ぶ能力を意味します。
パートナーシップやインティマシー恋愛の文脈においても、単なる肉体的接触だけではなく、「心理的バウンダリー(自他の境界線)」を互いに尊重し合えているかどうかが問われます。相手に同調しすぎて自己を見失う「共依存」や、逆に他者を過剰に拒絶する「回避」と一線を画すものこそが、成熟したインティマシーのあり方です。この「個人の境界線を明確に認めたうえで築く親密さ」という心理学の原則が、のちに映像制作の現場規律へと昇華していくことになります。