町の歩みを紐解くと、重厚な歴史の地層が顔を出す。平安末期から鎌倉初期にかけて活躍した知勇兼備の武将・梶原景時。その館跡や菩提寺が点在する寒川は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送を契機に、歴史愛好家の巡礼地として再評価された。現在でもNHKオンデマンドなどを通じて作品に触れた歴史ファンが、週末ごとに史跡巡りへと足を運ぶ姿が絶えない。
この歴史資源を現代の観光・インバウンド産業へと昇華させる動きも活発だ。寒川神社で古くから伝わる「八方除」の概念は、厄払いやマインドフルネスを求める訪日外国人旅行者の琴線に触れている。歴史紀行・ローカルドキュメンタリー番組のクルーが町の古道を撮影する姿も日常化しており、伝統文化と静寂の体験をセットにした滞在型コンテンツが、海外のツーリストをじわじわと惹きつけている。