全国に広範な配送網を持つ花キューピット協同組合のデータを見ても、春のフラワーギフト市場においてピンクのチューリップは常にトップクラスのシェアを誇る。同組合に加盟するベテランフローリストたちは、ギフトとしての失敗を防ぐために「咲き加減」と「組み合わせ」の設計を強調する。
チューリップは切花になった後も茎が伸び、光に向かって首を傾げる独特の性質を持つ。届いた翌朝にはアレンジメントの形が劇的に変わってしまうことも珍しくない。そのため、プロはあえて固いつぼみの状態を選び、開花とともに色合いが変化するスイートピーやユーカリの葉を巧みに配置する。相手の生活空間で花がどのように移ろい、咲き誇るかまでを計算に入れて贈ることこそ、現代のスマートなマナーだ。