小松海岸の波乗り環境を根本から支配しているのが、すぐ北側に隣接する日本屈指の大河・吉野川の存在です。外洋(太平洋)から紀伊水道へ向けて進入してくる波は、阿南沖や鳴門海峡の潮流、そして吉野川河口うねり状況と複雑に干渉し合います。小松海岸でクリーンなブレイクが出現する絶対条件は、気圧配置・うねりの向き・風向きの3要素が噛み合った瞬間です。
まず波の高さとうねりの向きに関して言えば、最も小松海岸にダイレクトに入りやすいのは「東〜南東うねり」です。台風が四国の遥か南海上を通過する際、太平洋側の生見や宍喰がダブル以上のクローズアウトになっても、内海に位置する小松海岸には回り込んだうねりがワンクッション置かれて届くため、胸〜頭前後の極上マシンウェーブへ化ける現象が頻繁に起こります。一方で、純粋な南うねりは紀伊水道の開口部に対して角度が浅く、室戸岬方面へ逃げてしまうため、サイズアップしにくい傾向があります。
さらに見落とせないのが小松海岸風向き予報の精査です。小松海岸の完全なオフショア(岸から海へ吹く風)は「西〜西北西」です。四国山地を越えて吹き降ろす西風は、波の面をきれいに整え、チューブやリップアクションを容易にします。逆に、日中の気温上昇に伴って発生する海風(東〜北東のオンショア)は、水面を激しくチョッピーにしてテイクオフを著しく困難にします。朝夕の無風時間帯(グラッシー)か、冬場の西高東低の気圧配置でオフショアが適度に吹く時間帯を狙い撃ちするのが鉄則です。