インターネット上の言説やオカルト関連の掲示板で長年繰り返されてきた誤解の一つに、「アダムスキーはパロマー山天文台の天文学者であり、公式な観測機器でUFOを撮影した」という言説があります。しかし、これは明確な事実誤認です。
実際には、アダムスキーはパロマー山天文台の正式な職員や研究者であった経歴は一切ありません。彼は天文台へと続く登山道の途中で飲食店(カフェ兼売店)を営業していたにすぎず、敷地内に個人的に設置した小型の天体望遠鏡を用いて撮影を行っていました。当時のメディアが「パロマー山のアダムスキー氏」と紹介したことが、いつしか「世界最高峰の天文台の科学者が撮影した決定的一枚」という権威付けの神話へとすり替わっていったのです。
パロマー山天文台の当時の天文学者たちは、アダムスキーの主張に対して公式に距離を置き、彼が提示したフィルムについて「光学的な観測基準を満たしておらず、科学的な検討に値しない」との声明を出していました。肩書や撮影場所の権威性を巧みに利用したセルフプロデュース力こそが、彼のUFO写真を世界規模のブームへ押し上げた最大の要因でした。