EV(電気自動車)の普及や軽量化ニーズの加速により、北米の自動車メーカーが求めているのは、薄くて軽く、なおかつ極めて頑丈な高張力鋼板(ハイテン)だ。この領域において日本企業が持つ製造ノウハウと熱処理技術は、世界最高水準と評価されている。
従来のアメリカ国内工場では製造が難しかった最高グレードの鋼板を、現地で安定的に大量生産できるようになれば、デトロイトの自動車メーカーにとっても調達コスト削減と車体性能向上の両立が可能になる。インフラ投資法案(BIRA)に基づく橋梁や道路の補修需要も相まって、ハイエンド鋼材の市場争奪戦は新たな局面を迎えている。