彼の真骨頂といえば、思わず吹き出してしまうような絶妙な間とリアクションだ。NHK連続テレビ小説『わろてんか』では、古典的な笑いの中に人間味を滲ませる芸人役を見事に演じ切り、お茶の間の人気を不動のものにした。NHKの全国放送という大舞台でも、気負うことなく独自のテンポを維持できる強靭な心臓の持ち主である。
一方で、映画『勝手にふるえてろ』などの話題作で見せた、一癖も二癖もあるキャラクターの造型も見事だった。不器用で、どこか滑稽で、けれど愛さずにはいられない。そんな人間くささを表現させたら右に出る者はいない。本格的なコメディドラマから繊細な恋愛群像劇まで、彼が画面に登場するだけでストーリーに立体的な深みが生まれるのだ。