この違和感を紐解くには、賞が歩んできた歴史と本来の意図を整理する必要がある。賞のベースにあるのは、老舗出版社である自由国民社が発行する年鑑『現代用語の基礎知識』だ。1984年に始まったこの企画は、その年に誕生した新語や時代の雰囲気を言葉として記録・保存する文化的な試みとして誕生した。
その後、通信教育大手の株式会社ユーキャンが特別協賛として参画したことで、メディア露出が急増し、日本中が注目する巨大イベントへと成長を遂げた。だが、根底にある目的はあくまで「その年の社会相を映し出す用語の記録」だ。ネット上の爆発的な瞬間風速や若者間のノリを評価したい視聴者の感覚と、年間を通じた歴史的記録を目指す主催者側のスタンスには、最初から構造的なズレが組み込まれている。