日常の会話やニュースで同一視されがちなふたつの言葉。しかし、その根底にあるシステムと目指すゴールには決定的な違いが存在する。端的に言えば、社会主義は「資本主義から共産主義へと至る過渡期の段階」であり、国家や労働者階級が生産手段を管理して能力に応じて分配する仕組みだ。一方の共産主義は、最終的に国家そのものや階級差が消滅し、全員が必要に応じて富を受け取る理想郷的な社会体制を意味している。
歴史的な文脈を紐解くと、19世紀の産業革命が生んだ凄惨な労働環境への反発からこの議論は加速した。思想家カール・マルクスが提唱した枠組みでは、資本家が利潤を独占する構造を打破した先に社会主義が位置し、さらに生産力が極限まで高まった結果として共産主義へ到達するとされた。つまり、前者は現実的な制度運用のプロセスであり、後者はその究極的な到達点という関係性にある。