「ひとりじゃできない」という印象的なフレーズで始まる体操だが、その振付には高度な数学的・プログラミング的思考が隠されている。山田一成が前傾姿勢になり、その上を菊地秀規の手が通過する。一見するとコミカルなコントの一場面のようだが、これは相互依存関係と排他制御の完璧な視覚化だ。
もし一方がタイミングを誤れば、ふたりは衝突してしまう。しかし、定められたアルゴリズムに従って正確に動くことで、互いの動きが干渉し合わずにスムーズな流れが生まれる。子供たちは理屈を学ぶ前に、視覚とリズムを通じて「アルゴリズム(問題を解決するための手順・計算方法)」の本質を直感的に理解していく。この計算し尽くされた構成美こそ、大人が見ても感嘆の声を漏らしてしまう最大の理由である。