シャムシェイドが活動にピリオドを打ったのは、2002年3月10日のことでした。会場は、彼らが結成当初から「バンドとしての最終到達点」と公言してやまなかった聖地・日本武道館。満員の観客が見守る中、全28曲を完全燃焼してステージを降りた5人の姿は、今なお日本のロック史に残る名場面として語り継がれています。
当時、CD売上もライブ動員も絶頂期にあったバンドがなぜ解散を選んだのか。世間では即座に「メンバーの不仲説」が浮上しました。しかし、当時の公式声明や後にメンバーが回顧録で語った言葉を丹念に追うと、事態は単純な感情のもつれだけではなかったことが浮き彫りになります。
ボーカルの栄喜氏は後に、当時の心境を「武道館という大きな目標をクリアした瞬間、次に何を目指せばいいのか見失ってしまった」と吐露しています。インディーズ時代から過酷な合宿や徹底的な練習を積み重ね、「武道館に立つ」という強固な共通目標だけで強固に結束していた5人。その目標が完遂されたことで、張り詰めていた緊張の糸が途切れる「到達目標消失に伴う燃え尽き症候群」に陥ったことが、解散を決定づけた最大の引き金でした。