すべての夫婦にとって協議離婚が最善であるとは限りません。自力で協議を進めてよいケースと、直ちに専門家へ介入を依頼すべきケースの境界線は明確です。
協議離婚を自力で進めて問題ないケース
- 双方が離婚そのものに納得しており、感情的な罵り合いにならず対等に会話できる
- 未成年の子どもがいない、あるいは親権・養育費の金額について完全に合意できている
- 婚姻期間中の共有財産が少なく、不動産や多額の有価証券などの複雑な資産が存在しない
- 合意した約束事を公正証書として作成することに相手が快く同意している
直ちに弁護士相談や調停へ切り替えるべきケース
- 相手からDVや深刻なモラハラを受けており、対等な話し合いが物理的・精神的に不可能
- 相手が自営業や経営者などで資産全容が不透明であり、財産の隠蔽が疑われる
- 不貞行為などの不法行為があるにもかかわらず、相手が非を認めず慰謝料支払いを拒否している
- 双方が親権を一歩も譲らず、対立が数か月以上にわたり平行線をたどっている
専門家への依頼を躊躇する要因としてコストが挙げられますが、協議離婚における弁護士相談費用の相場は、初回相談であれば30分〜1時間で無料〜1万円程度です。正式に代理交渉を依頼する場合の着手金は20万〜40万円程度、経済的利益に応じた報酬金が10%〜16%程度加算されます。初期費用は発生するものの、隠し財産の開示や適正な養育費・財産分与・慰謝料を確実に獲得できれば、手元に残る金額は自力で大損するリスクを大きく上回ります。