赤・白・緑の組み合わせを持つ国旗は、世界中に10カ国以上存在する。似ているようで明確に異なるそれぞれの特徴を整理すると、見分けは驚くほど容易になる。「世界の国旗大図鑑プロジェクト」などの旗章学研究でも整理されている代表的な識別ポイントを押さえておこう。
まずは縦三色旗の代表格であるイタリア共和国とメキシコ合衆国だ。左から「緑・白・赤」の順で並ぶ配色は同一だが、決定的な違いは中央の意匠とアスペクト比にある。イタリア国旗は紋章のないシンプルな三色旗で、縦横比は「2:3」。対するメキシコ国旗は中央にサボテンの上で蛇をくわえる鷲の国章が堂々と描かれ、比率は横に長い「4:7」となっている。
横三色旗に目を向けると、ヨーロッパの2カ国が好例だ。ハンガリーの国旗は上から「赤・白・緑」の水平ストライプ(比率1:2)。一方、ブルガリア共和国は上から「白・緑・赤」の順に並ぶ(比率3:5)。赤と緑の位置が入れ替わるだけで、まったく異なる国家の顔となる。
さらに視野を広げると、中東やアフリカ、南米にもこの三色を基調とする国々が連なる。赤・白・緑に黒を加えた汎アラブ色を採用するアラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、ヨルダン、スーダン。中央に杉の木を描くレバノン、斜めストライプが印象的なマダガスカル、星を配したスリナムやタジキスタン、さらにはイランやオマーンなど、細部の図案を知るだけで瞬時に判別できるようになる。