デップを語る上で、ティム・バートン監督との共犯関係を抜きにすることはできない。1990年の傑作『シザーハンズ』で両者が出会った瞬間、映画史に類を見ない美しき異端者たちの神話が幕を開けた。両手に鋭利なハサミを持つ心優しき人造人間エドワード。哀愁を帯びた瞳と極限まで削ぎ落とされた台詞回しは、デップが単なるアイドル俳優から本物の表現者へと脱皮した決定打だった。
二人の絆は、奇怪でグロテスク、それでいて胸を締め付けるほど純粋なダーク・ファンタジーの傑作群を次々と生み落とした。『スリーピー・ホロウ』の神経質な捜査官、『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』の狂気と復讐に燃える殺人鬼、そして極彩色の悪夢を描いた『チャーリーとチョコレート工場』。バートンの構築する歪んだおとぎ話の中で、デップは常に「社会から弾き出された魂」に血肉を与え、観客を魅了し続けたのだ。