実際に素材を探し、現場で制作に携わる方々の声を聞くと、検索画面では見えてこないリアルな苦労や工夫が浮かび上がってきます。
都内の私立認可保育園で広報担当を務める保育士は、次のように語ります。
「秋の遠足案内を作るときに『ジェットコースターイラスト無料』で探したのですが、出てくる素材の多くがリアルすぎたり、乗っている人の顔が本気で怯えていたりして、保護者から『子どもが怖がって行きたくないと言っている』と指摘された経験があります。それ以来、必ずクマやリスなどの動物が万歳して喜んでいる『動物ジェットコースターイラスト』や、パステル調のやさしいタッチに絞って選ぶようにしています。園児向けにはリアリティよりも多幸感のある演出が欠かせません」
また、地域密着型スーパーの販促チラシを手掛けるフリーランスデザイナーからは、作業効率に関するシビアな意見が寄せられました。
「遊園地や夏休みの特売POPを作る際、納品までの時間は限られています。JPEG形式で背景が白い素材を慌てて選んでしまうと、背景の写真を合成する際にPhotoshopでパスを切り抜く余計な作業が発生し、それだけで30分以上ロスしてしまいます。初めから『背景透過PNG素材』で配布されているもの、あるいはIllustratorのベクター素材を選べるサイトをブックマークしておくことが、現場で締め切りに追われないための生命線です」
SNSやQ&Aサイトを検証しても、「無料でかわいいジェットコースターの素材を見つけたが、印刷したら粗くてギザギザになった」「モノクロ印刷のお便りに載せたら真っ黒につぶれてしまった」といった解像度や配色の失敗談が数多く見受けられます。画面上の可愛さだけで飛びつかず、最終的な出力媒体(カラー印刷なのか、白黒印刷なのか、Web表示なのか)を見極める視点が欠かせません。