リハビリテーション科では、医師の指示のもとで「リハビリ3職種」と呼ばれるPT、OT、STが緊密に連携して患者の社会復帰を支援します。これら3職種の決定的な違いは、アプローチする「機能の階層」と「生活活動の領域」にあります。
理学療法士(PT:Physical Therapist)は、身体の基本的な運動機能のスペシャリストです。寝返りを打つ、起き上がる、座る、立つ、歩くといった「粗大運動」の回復を目指し、筋力トレーニングや歩行訓練、物理療法を行います。
作業療法士(OT:Occupational Therapist)は、日常生活を送るための応用的な動作や、手先の細かな動き(巧緻動作)の専門家です。食事で箸を使う、ボタンを留める、入浴する、料理を作るといった「日常生活動作(ADL)」の自立を促し、精神面のリハビリや復職支援も担います。
対する言語聴覚士(ST)は、首から上の器官や脳の認知処理プロセスに特化しています。「食べる」「話す」「理解する」という、人間の社会生活と生命維持の核心部分に直接介入するのがSTの独自性です。
急性期病院から回復期リハビリテーション病棟に至るまで、PTが座る体幹を安定させ、OTがスプーンを握る動作を整え、STが喉の嚥下反射や食形態の安全性を担保するというように、三者が連動するチーム医療によって患者の「口から食べる喜び」が実現されています。