古くからのロシア料理店というイメージを持つ人も多いかもしれないが、現在の店内を見渡すとその幅広さに驚かされる。伝統的なウクライナ料理やロシア料理の枠組みを超え、近年世界的なトレンドとなっているコーカサス地方のジョージア料理までを網羅した、極めて豊饒なメニュー構成が展開されている。
定番を味わうコースも素晴らしいが、通がこぞって頼む隠れ看板料理こそ見逃せない。なかでも、壺焼きのパイ包みスープ「グリブィ・ヴ・スメタニュ」(マッシュルームとタマネギのサワークリーム煮)や、肉の旨味が凝縮した「シャシリク」(串焼き肉)は、仕込みの手間から1日の提供数が限られることもある逸品だ。初来訪なら、まずは名物を網羅したコースを選びつつ、アラカルトで気になる郷土の小皿を追加するのがスマートな楽しみ方といえる。