安全性において厳正な管理がなされているとはいえ、実際の食味や調理特性においては国産鶏肉とブラジル産鶏肉の間に明確な差異が存在します。最大の違いは「流通状態」と「水分量(ドリップ)」です。
日本のスーパーに並ぶ国産若鶏(銘柄鶏や地鶏を除く一般的なブロイラー)の多くは、一度も凍結されていない「チルド(冷蔵)」の状態で素早く店頭へ並びます。そのため細胞組織が破壊されておらず、加熱しても肉汁が逃げにくく、ふっくらと柔らかな食感と自然な旨味を維持できます。
対するブラジル産は、船便での長距離輸送を前提とするため、現地で解体後すぐにマイナス18度以下で急速冷凍(ブラストフリーズ)されます。解凍時に細胞から肉汁(ドリップ)が流れ出やすいため、そのまま焼くとパサつきを感じたり、皮下の黄色い脂分から特有の冷凍臭・脂臭さを感じることがあります。肉質自体は国産よりもやや引き締まっており、脂がしっかり乗っている点が特徴です。