2020年末をもって嵐がグループとしての活動を休止してから長い年月が経過しました。その間、旧ジャニーズ事務所の解体と新会社(STARTO ENTERTAINMENT)への移行など、芸能界の構造は激変。しかし、嵐の5人は誰も想像しなかった形で新たなグループの絆を形作りました。
2024年「株式会社嵐」設立が証明した5人の絆
2024年4月19日、5人は共同で「株式会社嵐」を設立したことを発表しました。代表取締役には弁護士の四宮隆史氏が就任したものの、出資者は相葉雅紀、松本潤、二宮和也、大野智、櫻井翔の5人全員です。
二宮和也は2023年秋に個人事務所「オフィスにの」を設立して独立し、松本潤も2024年春に独立。それでも「嵐」という屋根の下には全員が留まり続けています。家族を持った者、独身で芸道を究める者、芸能界の一線から距離を置く者――それぞれが異なるライフステージに身を置きながらも、互いの権利と生き方を尊重し合える体制を整えたのです。
公私の調和が生み出す表現の円熟味
結婚して父親となった二宮、櫻井、相葉の3人は、家庭を持ったことで表現の幅を一段と広げています。
二宮は映画やドラマで生活感や哀愁を帯びたリアルな役柄を演じ切り、櫻井は報道キャスターとして子育て世帯の課題や教育問題に一層説得力のあるコメントを寄せるようになりました。相葉も動物番組やバラエティで子供たちに向ける視線がより温かなものへと変化しています。私生活の充実が、アイドルという枠を超えた息の長いタレント活動の原動力になっていることは間違いありません。
【プロの結論】アイドル社会学から読み解く「結婚とタレント価値」の構造転換
昭和から平成にかけての日本の芸能界には、「男性アイドルは結婚すれば人気が落ちる」「ファンの疑似恋愛感情を壊してはならない」という強固な不文律が存在しました。しかし、嵐のメンバーたちが成し遂げた軌跡は、その固定観念を完全に過去のものとしました。
ファン社会学の視点から見れば、嵐は「アイドルとファンの健全な心理的バウンダリー(境界線)」を再構築したパイオニアです。プライベートを安易に売り物にせず、かつ不誠実な嘘もつかない。大切な節目にはまず自分たちの言葉でファンに手紙を届ける――この徹底した誠意が、「ファンに隠れて裏切る」のではなく「人生の伴走者として共に年を重ねる」という新しいアイドルとファンの関係性を成立させました。
彼らが築いた前例は、後輩世代のタレントたちにとっても「人生の選択肢を狭めずにトップスターであり続ける」ための希望のロールモデルとなっています。