患者が異常な言動を見せた際、親や周囲が最も警戒すべき重篤な疾患が「インフルエンザ脳症」です。一過性の錯乱状態である熱せん妄と、生命の危機や重い後遺症につながる脳症とでは、見られる兆候に明確な違いが存在します。
インフルエンザ脳症と症状の違いを把握する上で最大のポイントは、「意識の回復度合い」と「身体的な痙攣」です。通常の熱せん妄との違いとして、せん妄は一時的に意味不明な言葉を口にしても、しばらくすると落ち着いて会話が成立することがあります。一方、インフルエンザ脳症では呼びかけに全く応じない深い意識障害が続いたり、左右非対称な痙攣、異常に鋭い視線で虚空を睨み続けるといった症状が持続します。こうしたサインが現れた場合は、一刻を争う救急要請が必要です。